ランナーハック

走る事について思うこと

フルマラソン完走のために大切なこと

フルマラソンを完走するためには大切なことは、きついと感じないスピードで走り続けることです。つまり、オーバーペースを避けるということなんです。前半で調子が良いと感じても、自分のペースを崩してはいけません。

この事の重大さに気付かずに、私も初めて走ったフルマラソンでは大失敗をしました。後半、足が動かなくなってしまったのです。

では、なぜそうなってしまうのか、理論的な裏付けを整理してみました。オーバーペースが後半に及ぼす影響のメカニズムを知ることは、完走する可能性を高めることにつながると思っています。

ポイントは糖質と脂質と乳酸です。


糖質と脂質

ラソンを走る際にエネルギーとして消費されるのは、糖質と脂質です。この2つの物質がエネルギーに変化する工程はそれぞれ違っていて、簡単に言うと糖質の方が簡単にエネルギーに変換され、脂質は工程が複雑なため、少し時間がかかります。この特徴を理解すると糖質と脂質を使いこなすための方法がわかってきます。

運動強度が高い状態、つまり早いスピードで走るときには、単位時間当たりのエネルギー消費量が大きくなります。そのため、早くエネルギーに変換できる糖質が使われます。

逆に、運動強度が低い場合は、エネルギーの変換速度が遅い脂質も使われ、糖質と脂質の比率は1:1だと言われています。このことから、ダイエットに効果的なのは、運動強度が高くない方が向いていることがわかりますね。

次に考えることは体内の貯蔵量です。これは圧倒的に脂質の方が多いのです。逆に糖質はフルマラソンを走りきるためには体内の貯蔵量だけでは足りないことがわかっていて、そのためにレース中に補給が必要になってきます。ということは、出来るだけ脂質の消費を高めて、糖質を温存することがマラソンの完走のためには重要だ、ということになります。

糖質が枯渇してしまうと体が動かなくなり、失速してしまいます。前半のオーバーペースが後半の失速を招く理由の1つが糖質の枯渇にあるのです。


乳酸

もう1つの失速の原因となるのが、乳酸です。走るペースを上げていくと、息が上がり苦しくなってきますね。それは、運動強度に対して酸素の供給量が十分ではない状態となっているからですね。その時に体内では何が起こっているのかというと、乳酸が発生しているんです。血液中の乳酸濃度が高まると筋収縮が阻害されるようになります。そのため、だんだんきつく感じるようになり、同じペースを維持するのが難しくなります。フルマラソンを歩かずに完走するためには、この乳酸の血中濃度を抑える必要があります。


糖質と脂質も乳酸も、オーバーペースが原因だということがわかりました。フルマラソンを完走するためには、自分のペースを守ることが重要なんですね。また、練習でも、強度が高い方が効果も高いと考えがちですが、使うエネルギーが違うことが分かると、強度が低い練習も必要であることがわかりますね。これからは自分のペースを守って走ることを考えて練習したいと考えています。